懇願するわたくし

あの方の繊細な指のタッチ。

 

上品な言葉づかい。

 

紳士的な態度を最後まで崩さずに、わたくしの肢体の匂いを嗅いだだけで、とうとう抱いてはくださらなかった。

 

また、会うことがあるかどうかも、わかりません。

 

会えたらいい。

 

会いたい。

 

わたくしは、すっかり、恋する乙女になってしまったのでしょうか。

 

あの方のことしか、考えられないのです。

 

「今度はゴムをつけて、ゆっくり、おまえをイカせてやるぞ」

 

「あなた」

 

全裸でベッドに仰向けになったわたくしは、目を閉じました。

 

数時間前のホテルの部屋に戻って、あの方と……。

 

クリちゃんに触れられて、ビクンと肢体が跳ねます。

 

水分を含んですっかり大きく膨らんだそこは、いつも以上に敏感になっているようです。

 

グリグリと指でこねられると、痛みを感じるくらいでした。

 

「あっ、少し、痛いです」

 

「なんだ、気持ちいいんじゃないのか?」

 

「すみません」

 

「まあ、いい」

 

「そんなことを……」

 

「これなら、痛くないだろうが、ん、どうだ?」

 

「あっ、いいっ……」

 

クリちゃんを舐めまわす舌はとても器用で、夫がこんなに器用なことができる人とは信じられないほどでした。

 

「あっ、ああっ…んっ……」

 

あの方が、わたくしの花芯を舐めてくださっているのだわ。

 

溢れた蜜を、残らず舐めとって、赤い舌がアソコの中にまで入り込んで、わたくしを犯すのね。

 

そして再び、優しく花芯を舌で愛撫されると、わたくしはもう、引き返せないところまで連れ去られてしまうんだわ。

 

「あぁ……んっ……んんっ……もう……」

 

お願いです。

 

わたくしを、わたくしを、連れて行ってください。

 

「あぁ…っ……もう…ゆるして……」

 

懇願するわたくしを無視して、濡れた舌が容赦なく責めたててきます。