湧き上がる悲しみ

これ以上、夫によって、快楽を得ることには耐えられないと思いました。

 

「いいって、言えよ。

 

アソコが気持ちいいって、言ってみろ」

 

「いやっ……」

 

「嫌なのに、どうしてこんなに濡れるんだ。

 

いいんだろ?」

 

「やぁ…っ……いやぁ……」

 

「アソコ気持ちいい、って言えば許してやる。

 

ほら、言ってみろ」

 

「やっ……そんなこと、言えません」

 

夫は、ますます興奮してきたみたいでした。

 

いつもの営みのときに比べて、ムスコが大きいように思えました。

 

硬さも太さも、なんだかいつもよりすごくて恐いけれど、わたくしの肢体はどんどん気持ち良くなってしまいました。

 

夫がわたくしの中でムスコを激しく動かしながら、指先でクリトリスに触れました。

 

「あっ、いやっ!」

 

「ほら、言えよ」

 

ピストン運動されながら、クリトリスをいじられるのは初めてでした。

 

頭のてっぺんに突き抜けるような強い快感に、思わず我を忘れてしまいました。

 

「あぁーっ、ああっ、あぁん、あぁ、いいっ!」

 

「アソコ気持ちいい、だよ。

 

言ってみろ」

 

「ああぁーっ、アソコ、きもち、いいーっ!」

 

夫のムスコが膣の中で膨張した気がしました。

 

ピストン運動を止めた夫が、小さなうめき声を上げます。

 

わたくしの中で、夫が射精したのでした。

 

数日後、PTA会長さんから連絡がありました。

 

わたくしの期待していた、あの方からの伝言はなにもなく、現金の入った茶封筒を渡されただけでした。

 

あれは、アルバイトだったのですわ。

 

わかっていたはずです。

 

わたくしは、湧き上がる悲しみを理性でおさえつけました。

 

それからの一ヶ月を、どうやって過したのかわかりません。

 

表面上は何事もなかったように、家事をこなしていたのだと思います。